陽気なラップバトルだと思ってたヒプノシスマイクが、実は闇と沼の深いコンテンツだった①
今回はヒプノシスマイク(以下"ヒプマイ")について語りたいと思います。
前の記事で趣味一覧を明記しているにも関わらず、その中に入っていないもので書き出してすみません。
ただ厳密に言うと、趣味一覧に入れなかったのではなく、"入れられなかった"のです。
なぜなのか・・・それについても説明していきたいと思います。
ヒプマイのジャンル
人から聞かれて困る質問ってみなさんありますよね。
私もいくつかありますがその中の一つに、「ヒプマイってなに?」が入ります。
公式の言葉を引用すると、
キングレコード*1 EVIL LINE RECORDS*2が手掛ける音楽原作キャラクターラッププロジェクト
と書いてあります。
そうなんです・・・キャラクターがいるけどアニメや漫画、ゲームが原作ではないのです。音楽が原作なのです。私が無知なだけなのかもしれませんが、音楽原作のキャラクターって珍しい気がします。
(よく考えたらボーカロイドも音楽原作という点では近いのかな・・・詳しい方、教えてくれたら嬉しいです)
キャラクターの声はもちろん声優が担当するので、彼らがラップをすることになります。
二次元オタクの友達に「ヒプマイって何?」って聞かれたら、上に書いた公式の言葉を使って説明すると、みんななんとなくわかってくれます。
しかし、二次元界隈に全く興味のない人に聞かれたときは、
私「キャラクターたちがラップバトルをして・・・」
知人「アニメなの?」
私「いや、原作はアニメ*3とかじゃなくて・・・」
知人「じゃあゲーム?」
私「いや、ゲーム*4でもないんだよね」
原作が音楽だと説明が難しいんですよね。
まあでも、キャラクターにこだわらないで普通に「ヒップホップグループ」ですって答えたら良かったのかもな・・・とこの記事を書いていて思いました。
前回の記事で趣味をジャンルごとにまとめてしまったので、ヒプマイを入れられるところがなくて諦めました・・・でも、プロフィール記事なので修正してもいいかなと考えてます。
前置きが長くなりましたが、私がどのようにヒプマイに落ちていったかお話したいと思います。
ヒプマイの世界観
私がヒプマイを知ったのは、池袋サンシャイン内にある、アニメグッズやCDを販売しているショップでした。そこにヒプマイコーナーがあり、ライブ映像も流れていました。「そういえば最近聞くけどヒプマイってなんだろう?調べてみよう」という思いつきで、公式ホームページを見てみました。
調べてみてまず驚いたのが、ヒプマイの世界観でした。
ざっくりと説明すると、
- ヒプマイの世界では女性が覇権を握っており、女性のみで政治を担っている
- 兵器での争いは根絶され、人の交感神経、副交感神経に直接作用する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」が使用される
- 男性がヒプノシスマイクを使いラップバトルで領地の奪い合いをしていく
- 「ディビジョン」と呼ばれる地区ごとに分かれてチームが組まれる
ただラップバトルをするだけではなく、女性が覇権を握っている世界とか、人の精神に作用するマイクとか・・・こう言った世界観が細かく作りこまれているものにめっぽう弱いので興味津々になりました。
推しキャラが決まる
なんとなくヒプマイの世界観がわかったので、次にキャラクター一覧を見ました。
私がハマった当時は全部で4つのディビジョンがありました。
- イケブクロ・ディビジョン / Buster Bros!!!
- ヨコハマ・ディビジョン / MAD TRIGGER CREW
- シブヤ・ディビジョン / Fling Posse
- シンジュク・ディビジョン / 麻天狼
2019年9月新たに追加
- オオサカ・ディビジョン / どついたれ本舗
- ナゴヤ・ディビジョン / Bad Ass Temple
各ディビジョン3人で1チームとなるので、当時は総勢12人でした。
2019年9月にオオサカとナゴヤが加わり、現在は総勢18人です。
外見はもちろん各々特徴がありますが、みんなラップとは別に本業があるので、そこも個性が出ていて面白いです。
そして、私の推しが決まりました。シブヤ・ディビジョンの夢野幻太郎です。
簡単に説明します。
夢野幻太郎(ゆめのげんたろう)
MC*5 NAME / Phantom
職業 / 作家
CV / 斉藤壮馬
よく嘘の話をするので、口癖は「まあ嘘だけどね」
まず職業が作家で、服装が書生っぽい和服姿なところに惹かれました。顔もめちゃくちゃ好きです。最初はやっぱり見た目からですかね。CVも斉藤壮馬さんなので、こういったインテリなキャラが合うだろうな~と思いました。
まあこんなフィーリングで推しキャラが決まり、シブヤ・ディビジョン(Fling Posse)のポップなカラーも可愛くていいじゃんって感じで好きになりました。
楽曲を聞いてみる
ちょうど1stアルバムに収録されるアンセム曲「Hoodstar」のMVが配信されていたので拝見しました。
ラップって聞いててこんなに楽しいの!!!!!!と感動しました。それと、声優さんたちは滑舌がとても良いので非常に聞きやすい上に、みなさん本当にラップが上手です。
リリック(歌詞)もキャラの個性が出ていて、まだドラマトラックなど一切聞く前でしたが、なんとなくそれぞれの特徴に触れられた気がします。
MVでは声優さんたちが歌っていますが、キャラの特徴を踏まえて演じてくれているようでした。
夢野先生、ウインクとかサービス多いよ( ゚Д゚)
その後、Spotifyで全曲聞けることを知り、私のヒプマイライフが始まりました。
ヒプノシスマイク Division All Stars「Hoodstar」
Fling Posseの誕生(※ネタバレ有り)
色々と前置きが長くなりましたが、今回メインで書きたいのはシブヤ・ディビジョン/Fling Posseについてです。
夢野先生以外のメンバーを紹介します。
- 飴村乱数(あめむら らむだ) Fling Posseのリーダーで職業はデザイナー/かわいい系男子
- 有栖川帝統(ありすがわ だいす) 職業はギャンブラー
Fling Posseはリーダーの乱数が幻太郎と帝統とをチームに誘うところから始まります。3人とも接点はなく、乱数が二人を探し出して結成に至りました。
この時乱数はなぜこの二人を選んだのか、シブヤ・ディビジョンの中でこの二人が面白いと思ったからだと説明します。
夢野先生はその場で答えを出さず一旦持ち帰ります。
ちなみに夢野先生がいつも嘘を話す理由が乱数によって明かされます。病気で外に出られない友人を楽しませるために、作り話をして笑わせていた。そうしてそのまま小説家になり、今ではネタ作りのため嘘の話をしている。
私が夢野先生をますます好きになったエピソードです(笑)
帝統は乱数とラップバトルをした後、サイコロを出し「賽には神が宿ってる」と話します。そして、賽の目が偶数ならチームに入り、奇数ならこの話は無しだと言います。結果、帝統の投げた際は奇数でしたが、その後乱数がもう一度投げて偶数になり、半ば強引に仲間になります。
この流れ、この後も出てくるのでポイントです。
夢野先生もチームに入る決心をして3人揃い、Fling Poss誕生となります。
その後3人でギャンブルで遊んでいる話が続きます。3人でワチャワチャしてる日常的な話でほっこりしました。今思い出すと、こんな風に笑えてる時もあったんだな・・・と感傷的になるくらい、尊い時間だったと思います。
Fling Posseの楽曲
私がFling Posse推しを加速させた一曲があります。「Stella」という曲です。
この曲は「夢野幻太郎が書いた物語」という設定なのですが、それを知った時の私は「えっ!!!!!なにそれ!!!やばいじゃん!!!!!」完全に語彙力をなくすほど興奮していました。「職業:作家」をただのキャラ付けで終わりにしないで、綺麗に生かしてるんですよね。夢野先生の作品に本当に触れることができた、そんな感覚になりました。
stellaはラテン語で「星」を意味するそうです。名前の通り「星」というワードはこの曲の中でたくさん出てきますが、それは小さな小さな惑星のことで、そこに住む(住んでいた)者たちの物語、という風に私は考えました。
同時に小説「星の王子さま」を思い出しました。むしろ「星の王子さま」を読んでいたからイメージしやすかったのかもしれません。
乱数が科学者、幻太郎が盗賊、帝統が元王様の役としてそれぞれのパートを歌います。それぞれの星にいた3人が出会い、前を向いて歩いて行くという内容ですが、ここで乱数が演じる科学者がキーポイントになってきます。
氷に覆われたここで生命は私だけ
研究は気が付けば人の道を外れた
誰が為かも忘れた
紙屑のようなラブレター
乱数のパートの歌詞を抜粋しましたが、誰よりも孤独や虚しさが表れています。
後にこの感情は乱数そのものに当てはまっていたのだと気が付くのですが、詳しくは後程話します。
曲の後半ではこんなやりとりがあります。
乱「叶うならいつか故郷が見たいな」
帝「なら決まりだ」
乱「あるのかもわからない」
幻「此処にいても変わらない」
帝「では虚ろなこの船が何処へ着(ゆ)くのか」
帝・幻「賭けてみないか」
このやりとりも後に伏線だったことに気づきます。
そして私がこの曲で一番好きな歌詞が、
爪先は前に向けておく
立ち止まった次の一歩目でも間違えないように
爪先は前に向けておく
ただ一途な目でいつか過ちすら愛でよう
爪先はできる限る遠く踏み込む
振り返る時自分の影が追いつけないように
爪先は前に向けておく
暁の果てに問うこれは躓きを糧に飛ぶstory
辛い状況の中でも、前だけ見て進んでいくしかない。前を見て進んでいけば、今辛いことも糧になる時がある。とても心強い歌詞ですよね。私自身、20代半ば特有の「私このままでいいのかな・・・」期に入りまして悩んでることが多かったんです。そんな時にこの歌詞には励まされました。
とにかく「Stella」の世界は美しくて儚い、だからこそ魅入られるのだと思います。
この曲がリリースされた当時、ただただ良い曲だなと感動していた。一年後、全てがとんでもない伏線だったと知り感情がぐちゃぐちゃになることは露知らず・・・
長くなってしまったので、続きはパート2にして更新します。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。